前回私は高配当株投資に興味を持ち始めたと書きましたが、今回は実際に「IR BANK」というサイト参考にして高配当株についての調べ方を綴ろうと思います。
(※注 今回紹介するのは株式投資初心者の私が調べた内容について忘備録的に綴ったものです。実際の株式投資についてはしっかり自分で調べて投資するようにしてください)
そもそもIR BANKとは?
企業は毎年、自社の経営状況を公表するために「決算書」というものを株主たちに向けて発行します。
この決算書というものは初心者にとっては非常に難解で、個人ではまず情報を収集するのにも苦労します。
この「IR BANK」では、企業が毎年発行する決算書の内容を年度ごとに纏めてくれているサイトです。
このように年度ごとに時系列で纏めてくれているおかげで、その企業の経営がよい調子であるか、悪い調子であるかが視覚的に分かりやすくなっています。
次の章では私が唯一保有している株である「イオン(8267)」を例にとって各指標を見ていきたいと思います。
高配当株の調べ方
まずはIR BANKのホームページに行ってみましょう。
↓トップページはこのようになっています。

↓このトップページの左上にある検索窓から気になっている企業を検索します。

↓上場企業の欄の中から調べたい銘柄を選択します。

↓銘柄内にある「決算」をクリックします。

↓するとこんなページにたどり着きます。

ここが決算の纏めページとなります。
今回はこのページに書かれている各指標を自分なりに調べて忘備録として記載しておこうと思います。
各指標について(会社業績)
営業収益と営業利益
営業収益→企業が営利活動で売り上げたすべてのお金
営業利益→売上総利益から販売費と管理費を引いた利益
つまり収益からいろいろ経費を引いたのが利益であるので 営業収益 >営業利益
この営業利益が大きいと一般的に良いとされる ≒営業利益率
経常利益
営業利益に営業外利益を加えて営業外の経費を差し引いたもの。
つまり、企業全体の利益を指すことが多い。
純利益
企業のすべての支払いを済ませた後に残る利益
会社の安定性の判断に用いることが多い。
包括利益
純利益+含み益
EPS
「一株当たりの当期純利益」のこと。(=Earnings Per Share)
EPS = 当期純利益 / 発行済みの株式数
- 意味
-
企業の収益性の指標
注 純利益(=配当のもと)が増えても、株をさらに発行してしまうと一株当たりの取り分は少なくなる。
企業が自社株買いをすると分母が小さくなるのでEPSも減る
EPSは長期的に増加していることが理想だが、その増減の要因がどのようなものであるかに注意が必要
ROE
自己資本利益率(=return On Equity)の略
→純資産に対してどれだけの利益が生み出せたか?
ROE = ( 純利益 / 純資産 ) × 100
→株式会社においてはこの資産は株主からの投資によるので、指標の意味としては
投資した金額に対して以下に効率的に利益を生み出したかを表す。
大体、5~10%を超えれば優良企業
ROA
総資本利益率(=Return On Assets)の略
会社が持っている全資産を利用して以下に効率的に利益を上げたか
ROA = ( 純利益 / 総資産 ) × 100
ROEは出資に対するリターンなので異業種間にも利用できる。
ROAは分母に総資産を使っているため、業種によって設備はまちまちで、総資産の規模に反映されてしまうため、
異業種間の比較に適さない。同業他社との比較によく使う。
一般的に5%を超えれば優良企業。
営業利益率
売上高に対する営業利益の割合
→どのくらい効率的に営業利益を出しているか?
営業利益率 = ( 営業利益 / 売上高 ) × 100
この指標が高ければ高いほど、効率的に利益を上げている。
一般的に10%を超えれば優良企業
(しかし、利益率は業種によって結構左右されるので、同業他社と比較するのが望ましい)
原価率
売上高に占める原価の割合
一般的に小売・卸売業界については原価率が50%以上と高めなので注意
販管比率
売上高に占める販売費および管理費の割合
販管費とは商品を売る際にかかる固定費・人件費など
この販管費の割合が少ないほど、効率よく売り上げを上げている。
この営業利益率+原価率+販管費率を合計すると大体100%になる。
(例を挙げると分かりやすいです。製造コストに人件費等と利益分を上乗せしたものを商品として販売…)
各指標について(財務状況)

総資産と純資産
総資産→自己資本と他人資本(=負債)を合わせた資産
純資産→自己資本のみ
株主資本
純資産の一部。
純資産の内、株主が保有する資産
(例えば、出資金や出資金を基に得た利益等)
自己資本比率
総資本の内、どのくらいの割合を自分のお金(=自己資本)で経営しているか
自己資本比率 = ( 自己資本 / 総資本 ) × 100
つまり言い換えると…
( 自己資本 / (自己資本+負債) ) × 100
自己資本比率が高いほど、自分のお金で経営をしているため、外からの影響を受けにくくなる(=経営が安定する)
目安は業種によって様々。
固定資産の少ないIT系だと50%超えることも
利益余剰金
いわゆる内部留保というやつ。
企業運営の利益の内、会社内にため込んでいるお金
有利子負債
利息をつけて返さなければいけないお金
(例えば、銀行からの借り入れとか)
有利子負債が多すぎると経営への負担が大きくなるので注意
有利子負債比率
自己資本比率に対する有利子負債の割合(≒自己資本比率の逆?)
一般的に100%以下だと良いと言われる
BPS
一株当たりの純資産(=Book-value Per Share)の略
BPS = 純資産 / 発行済株式数
会社が解散した際に理論上貰える一株当たりの金額
各指標について(キャッシュ・フロー)

キャッシュフローとは
経営におけるお金の流れ
お金が入ってくることをキャッシュイン、お金が出ていくことをキャッシュアウトという。
営業活動によるCF
企業の本業活動によるお金の流れ。
管理費や広告費より得られた利益の方が多ければ、プラスとなる。
本業における利益なので、大きなプラスの値であることが望ましい。
投資活動におけるCF
会社を経営していくためにどれだけ設備投資などをしているか。
設備を売却等していない限り、基本マイナスとなる(設備投資をするためお金を払うということ)
財務活動におけるCF
銀行等からの資金調達によるお金のながれ
資金調達していればプラスとなる。
フリーキャッシュフロー
営業活動CFから投資活動CFを引いたもの
設備投資以外に自由に使えるお金
これが多いほど他の事へ投資等ができる
営業CFマージン
売上高に対してどれだけ現金を得られたか
営業CFマージン = ( 営業CF / 売上高 ) × 100
各指標について(配当推移)

一株配当
一株あたりにもらえる配当金(1年分合計したもの)
イオンの場合36円であるので、100株持っている私は3,600円貰える計算になる。
配当性向
得られた純利益の中からどの程度の割合で配当金を出しているか?
配当性向 = ( 年間配当金 / 純利益 ) × 100
配当性向が大きいと株主により多くの割合で配当を還元している。
配当性向が100%を超えると、内部留保を取り崩しながら配当を出している。
成長企業であれば、利益を配当ではなく設備投資などに回し、配当性向が小さくなることがある。
なので、ただ単に配当性向が高ければ良い、低ければ悪いとは言い切れない。
純資産配当率
年間配当額を純資産で割ったもの
配当性向は純利益で割っているが、こちらは純資産で割っている。
配当性向と同様でこの指標が大きければ大きいほど株主還元に積極的
自社株買い
企業が発行済みの自社の株式を買い戻すこと。
買い戻された株は一般的には消却されるため、間接的に一株当たりの利益が大きくなる。
そのため、株価に対してはプラスになることが多い。
総還元額
配当金と自社株買いを合わせたもの
まとめ
今回はIR BANKの決算まとめの各指標について自分の忘備録もかねて纏めてみました。
株初心者のため、浅い知識ですがこれを基に高配当株を探してみたいなあと思います。
また何か自分の中で動きがあったら記事にしようと思います。